人間は、追い詰められると、思考や行動は悪い方向に向かうもので、経営危機の場面においても同じことが言えます。
悪い方向に発想が広がり、仕事も満足に手につかない状況になるのが一般的ではないでしょうか。
経営者がこのような状態になると、健全な会社でも経営が悪化しかねませんから、経営者の気持ちの持ち様は、経営危機を打開するには極めて重要な要素になります。
経営危機を感じたら、経営者は明るく前向きに取り組むように心がけましょう。
そして、諦めない強い気持ちがあれば、従業員も安心して仕事に取り組み、経営危機を打開する環境が出来るようになります。
同時に、経営危機を具体的に打開するための、必要とされる正確な知識と情報を持ってください。
間違った情報に惑わされないように、経営者として覚悟と自信をもって取り組むのです。
これらが、経営危機を打開するための、経営者としてのスタンスといえます。
では、具体的に、経営危機打開に取り組む流れはどうなるのでしょうか。
まず、本業において、黒字化が確保できるかどうか検討してください。
黒字を確保できるならば、返済猶予等を活用することにより資金繰りの確保が可能となります。
これは、今が黒字というよりも、今後、黒字が安定的に確保できるかどうかがキーポイントになります。
資金繰りを安定的に確保するために、入出金の整理や不活用資産の資金化など作業が前提になるでしょうが、黒字を確保することができれば、借入返済の元本を棚上げし金利だけ支払う返済猶予により、資金繰りの確保が基本的に可能となるのです。
その可能性の確率を上げるために、半年から1年間の資金繰り表を作成し、常に根拠を明確にして状況を確認してください。
そして、返済猶予は、資金繰りを楽にするのが目的ではなく、時間的猶予が与えられ、その間に会社再生を目指して経営改善を推し進める期間であることを再認識しなければなりません。
1年間ほどの返済猶予中に、徹底して経営改善に取り組むのです。
しかし、もし黒字の確保が厳しい経営状況だったらどうでしょう。
厳しくとも、黒字化の可能性が僅かでもあるのなら、同じように取り組むべきだろうと思います。
ただ、黒字化が無理だった場合のことも考え合わせる必要があるでしょう。
どんなに頑張っても、黒字化が無理だろうと判断した場合、経営者には究極の判断が求められます。
赤字が続けば、いずれは資金繰りが破綻し会社は倒産するしかないでしょうから、破産を選ぶしかないと考えるのが一般的なのです。
しかし、そんなに簡単に破産をして、全てを諦めていいのでしょうか。
また、無責任に全てを投げ出していいのでしょうか。
たしかに、司法の力を借りることにより、一時的には苦境から逃避出来るかもしれませんが、その後に振り返れば、資産どころか地位も名誉も何も残っていないのです。
ここは、経営者として、絶対に踏ん張り、努力して責任を果たす場面ではないでしょうか。
中小零細企業は、簡単に倒産などしません、生き残る方法も必ず存在します。
資金繰りが悪化し、金利さえ支払えなくなっても、不渡りさえ出さなければ倒産はしないのです。
不渡りを2回出しても、当座取引が停止になるだけで、現金決済で取引きできれば、事業の継続も不可能ではないのです。
要は、経営者が自ら決意しない限り、倒産はしないということなのです。
それなら、たとえ赤字でも、諦めずに頑張るしかないのかもしれません。
そして、諦めずに、どんなことがあっても事業を維持すると決めれば、必要な資産を予防的に保全することも大事です。
また、万が一に備え、何らかの形で事業を継続するために、第二会社・別会社を用意する必要もあるのかもしれません。
この場面では、多くの対策が求められますが、その目的は『経営改善』でも『再生』でもありません。
ここでの目的は『生き残る』ということになります。
資金繰りが悪化し、赤字の確保も難しい状況において『経営改善』や『会社再生』をいつまでも目的にしていれば、目的を見失い、破産や夜逃げや自殺を選択することにつながりかねません。
しかし、経営者として取引先や従業員への責任を果たし、男として家族を守る義務を全うするために『生き残る』必要があるのですから、ここは目的を明確にしなければなりません。
生き残れば、再生して、迷惑をかけた関係者にお返しをすることも可能なのです。
まず、生き残ることを目的にするのが、経営危機を打開するキーポイントなのだと思います。
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