2009年07月10日

金融機関から自宅を守る・・・

不動産資産のなかでも、自宅は特別なものだと思います。

特に、経営が厳しくなると、心の拠りどころとなる自宅は人生のオアシスです。

人間を取り戻すことの出来る心の拠りどころは絶対に必要であり、最終的には家族と自宅だけがその拠りどころになるのではないでしょうか。

当然、借入金を正常に返済できれば、そんな心配をする必要はありません。

しかし、会社再生に取り組む過程において、自宅を処分する必要に迫られることが多々あるかもしれません。

そんなとき、金融機関等の債権者の要請に沿って、素直に自宅を手放すのが潔いのかもしれませんが、私の経験則から言わせてもらえれば、後日に後悔されることがほとんどなのです。

自宅を失うほどの厳しい経営環境で自宅を手放してどこに住みますか?

まず、住むところを探さないと駄目だし、保証金や家賃などの新たな出費だって必要になるのです。

残せる可能性があるのならば、今後の人生を考え、自宅は何とか残す方向で考えるべきだと思います。


どうやって自宅を守るか

自宅を守る方法として、予防保全の3原則を使った代表的な方法をご紹介します。


方法1

不良債権化した債権の担保であれば、任意売却により、信頼できる知人等の第3者に購入してもらい、将来の買戻しを前提に賃貸契約を結び、そのまま住居とする。 

・・・任意売却の債権者同意が必要ですが、売却金額に経済的合理性があれば、同意してくれるのが通常です。
将来的に、買戻しすことも可能です。


方法2

実勢価格より担保権第一順位の住宅ローン残高が多く、住宅ローンの借入金融機関とその他借入金融機関が違う場合は、住宅ローンだけを約定通りに返済する。

・・・住宅ローンにより無剰余ですから、後順位の差押等の効力が発揮できない環境になります。
ただし、住宅ローン残高が減少したり、実勢評価が上昇することにより剰余ができることもありますので注意してください。


方法3

実勢価格より唯一の担保権者の住宅ローン残高が低く、住宅ローンの借入金融機関とその他借入金融機関が違う場合は、新たに信頼できる知人から借入をし、借入額に相当する根抵当権を設定して、実勢価格以上の担保残高の環境(無剰余)において、住宅ローンは約定通りに返済し、知人には余裕の在る条件で返済する。

・・・方法2と同じ効力を発生しますが、知人から借入に関しては、金銭消費貸借契約書や入金に関する足跡確保等、しっかりとしたエビデンスが必要となります。


方法4

今は健全経営であるが、将来的には資金繰り難に陥る可能性が極めて高く、奥さんが借入の連帯保証人になっていない場合は、結婚20年経過の配偶者贈与により奥さんに贈与する。

・・・費用的には、一番安くできる対策ですが、詐害行為として追及される可能性も高くなります。
他の方法で対応できない場合の、最後の手段と考えるべきでしょう。


等々の方法があります。


これらは、あくまでも代表的な例であり、状況により対応を変化させる必要は有りますが、実際に有効な成果をあげている方法です。


資産の予防保全対策を実施するにおいて、道義的責任について考えられる方がおられます。

たしかに、借りたお金は返済すべきですが、現状において返済できない環境ならば、将来的に返済できるように考え方を切替えるべきでしょう。

自己の利益を追求するためではなく、事業を維持するための予防保全であり、将来的に返済できる環境を構築するための対策です。

また、従業員や取引先,そして家族を守るための対策でもあるのです・・・。

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2009年07月08日

経営危機で不動産を活かす!!


「返済できなくなれば、担保に出している不動産はどうなるのですか?」 このようなご質問をよくいただきます。

借入金が返済できなくなり、期限の利益が喪失すれば、担保に入れている不動産は処分されてしまいます。

しかし、担保に入っていてオーバーローンであろうとも、期限の利益が喪失しようとも、まだまだ不動産は活用できるチャンスがあるのです。

不動産は高価な資産であり、収益性を発生させることも可能なのですから、簡単に諦めないでください。


不動産資産の特徴

登記等により、公信力は無いが、その存在と所有権等の権利が明確である。

日本においては、不動産が経済動向を決定する基準の1つとなっている。

活用方法により、収益性を持たせることができる。

土地は、経年により資産価値が減少しない。


不動産からの収益

不動産は、何らかの活用をしている限り、必ず収益性を発生させます。

マンションや駐車場の場合は、賃料が入ってきますので収益性は明白ですが、自宅や会社の事務所や工場で使っている場合でも収益性を持っていると言えます。

もし、自宅を失ってしまえば、他でアパートでも借りて家賃を払わなければなりません。自宅があれば、家賃は不要ですから、マイナスをゼロにする収益性があるわけです。

また、債務超過の不動産を売却する場合においても、いくばくかの資金を確保することも可能です。最後の不動産活用は重要ですから、慎重に対応してください。


総合的な対策

不動産は簡単に諦めず、活用方法を検討する。

活用している不動産は、できるだけ長期間維持し、収益を確保する。

売却しか選択肢が無い場合は、任意売却を選択する。

任意売却が選択できた場合は、その後の対策をしっかり検討する。

競売になった場合は、進行状況を確認し買い戻し等に備える。


競売と任意売却の選択

期限の利益を喪失すると、債権者は不動産の任意売却を勧めてくるか競売の手続きに移ります。

最後には、何らかの形で所有権を手放すという手続きが必要となりますが、競売と任意売却とどちらを選択すべきでしょうか。

競売は、法的手続きで全て裁判所主導により公明正大な処理され、何ら現所有者である債務者の意思を反映させることはできません。

それに引き換え任意売却は、現所有者である債務者の意思を反映させることができ、売却の過程において資金の確保も可能です。

当然、債権者との調整が必要になり手間はかかりますが、可能ならば任意売却を選択すべきです。


競売への対応

1.競売になる前提

任意売却が困難で、返済の見込みがないと判断されると、法的手段である競売となり、所有者の意思は無視され、粛々と手続きが進みます。


2.プロパー貸しの場合

期限の利益の喪失後、早い時期に競売の手続きをとられる場合が多い。
最近は、担保不動産を処分後にサービサーへ残債権を譲渡されることが多い。


3.保証付きの場合

期限の利益の喪失後、保証協会や保証会社が保証している場合は代位弁済される。
代位弁済後は、良い条件での新たな交渉が可能。
交渉の折り合いがつかない場合に、競売の手続きをとられる。


競売までの流れを知る

最近は、期限の利益が喪失してから、競売の入札が実行されて所有権が移転するまでの期間が短くなってきました。

この競売の流れは、競売は当然のこと任意売却を目指す場合でも重要であり、その流れを知ることにより展開は大きく変わりますので、当事者として裁判所に問い合わせ流れを理解してください。


『経営危機で不動産を活かす!!』の前半は以上です。

後半は、心の拠りどころである『自宅』の、価値と保全について考えて見たいと思います。

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